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連載コラムVol.12 謎の音

連載コラムVol.12 謎の音

 3月に入り、先月までの大雪が嘘の様に春めいてきた今日この頃、読者の皆様はいかがお過ごしですか。お陰様で昨年の4月からスタートした本コラムの連載も12回目を迎え、何とか1年間継続することができました。この先どうなるのでしょうか。ネタ等々、不安な気持ちで2年目に突入いたします。

 さて、私たち建設コンサルタントの従事者にとって3月は、1年間の集大成とも言える時期、ほとんどの契約業務が納期を迎えます。併せて新年度に向けた準備等々、即ちとても忙しいのです。だから社内も少しピリピリムードです。ですが、時節柄開催される送別会や懇親会等にしっかり対応するのも建設コンサルタントの従事者なのです。

 私も業務担当者であった頃、この3月は当然の様に多忙を極め、連日連夜の残業で、夜中に社内で一人きりという事も多々ありました。夜中に一人で居ますと、何とも言えない感じなのですよ。室内は静寂が支配し、昼間には聞くことができない謂れのない音が聞こえてきます。一瞬ドキッとしますが、ほとんどの場合、発生源や原因を特定することができるため恐怖心はありません。ただ、未だに特定できない謎の音が一つだけあるのです。

 今から三十数年前の3月頃だったと思います。この日も技術系社員は多忙を極め、皆さん残業をしていました。午後10時を過ぎたあたりから一人二人と退社して、午後11時過ぎには私一人という状況になりました。無機質な暗いオフィスに私のデスクだけポツンと電気がついている、そのような状況でした。

 午前0時を過ぎ、「日を跨いでしまった」と、思いながら仕事をしていた時、総務課の方向から音が聞こえてきました。誰も居るはずのない総務課の辺りから、「パチン、パチン」と、ソロバンをはじく音が聞こえてくるのです。

 当時、弊社でソロバンを使用していたのは、総務課のO課長のみ、そのO課長も定時退社しており社内に居るはずがありません。暫くしてソロバンの音は止みましたが、聞こえている間、逃げ出すのはもちろんのこと、何もすることができず、ただ恐怖に怯えるだけでした。

 後日、この話を上司、同僚との酒席で話したところ、「亡くなったK専務はソロバンを使っていた」との話から、この謎の音の正体はK専務からのメッセージではないか。即ち、技術者であったK専務は志半ば病に倒れ亡くなってしまった。それが故に私たちの技量や資質、会社の将来が気になりK専務の霊が社内を彷徨い「もっと研鑽に励め」とメッセージを発しているのではないか、との結論に至った。

 社員の皆さん、残業時間中にソロバンの音が聞こえたら、それは「技術研鑽に励め」と、言うK専務の言霊です。

 弊社は本年7月に移転を予定しております。移転後もK専務の想いは新しいオフィスに引き継がれるのでしょうか。

 果たしてソロバンの音は聞こえるのか。

この記事を書いた人

専務取締役田村 智樹

専務取締役 田村 智樹
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