COLUMN コラム
変化と不変

つい先日、新年を迎えたばかりと思っていたら早くも2月になりました。年齢を重ねるに連れて時の流れが早く感じるようになり、漫然と過ごしていると時間ばかりが経過し世の中の変化から取り残されてしまいそうです。
しかし、その一方で時代を超えて変わらない価値観も存在します。本コラムでは、昔と今を比較しながら、その変遷と意義について考えてみたいと思います。
社会環境の変化
かつての日本の住宅は「和」の要素を重視し、畳や障子、縁側といった伝統的な造りが主流でした。現代ではRC(鉄筋コンクリート)構造の住宅が増え、住環境の「スペック」を重視する傾向が強まっています。耐震性能や断熱性能、さらには「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」といった環境配慮型の住宅が注目されるようになりました。
働き方においては、昔は「終身雇用」が当たり前とされ、一つの会社で定年まで勤め上げることが美徳とされました。しかし現代では、「ワークライフバランス」や「リモートワーク」といった柔軟な働き方が浸透するとともに、複数の職場を経験するキャリアパスも珍しくなくなりました。
手紙や電話が主流だった昔のコミュニケーションは、現在ではSNSやメッセージアプリによる即時性の高いやり取りに変わりました。情報の伝達スピードは格段に上がりましたが、一方、対面での「感情」が伝わる会話や「間」を大切にする文化は薄れつつあるかもしれません。
建設業界においても、担い手不足を背景として大きな変化がありました。かつての「職人技」に頼る施工方法から、今では「BIM/CIM」や「ICT施工」といったデジタル技術を活用した効率的な建設プロセスへと進化しています。「プレキャストコンクリート」工法の普及や国が提唱している「i-Construction」の推進により、生産性向上と働き方改革が同時に進められています。
変わらない価値観
時代や文化を超えて、人間関係における「信頼」と「誠実さ」の価値は普遍的です。ビジネスや個人の関係において、約束を守り誠実に対応することの重要性はデジタル社会においても、むしろその重要性は増していると言えます。
また、他者を思いやり、共感する心は人間社会の基盤をなす価値観であり、形は変われども、困っている人を助ける、弱者に手を差し伸べるという行為は、どの時代においても尊ばれてきました。現代のボランティア活動やクラウドファンディングなどは、この普遍的価値が新しい形で表れたものといえます。
巷間、よく耳にするサステナビリティ(持続可能性)という概念、これもまた一見して新しい価値観のように見えますが、本質的には昔からの「次世代への責任」という普遍的価値に根ざしているものであります。
現代社会では、テクノロジーの発展により「効率性」や「スピード」が重視される一方、それらがもたらす弊害も認識されるようになり、「スローライフ」や「ミニマリズム」といった価値観も注目されています。これは、変化の中にある不変の価値への回帰ともいえるでしょう。
時の流れや時代の変化を感じながらも、過去から学び未来へ目を向けることの大切さを感じます。変化と不変のバランスを見極め、より良い未来のための指針とすることが、私たち一人ひとりに求められているのではないでしょうか。
この記事を書いた人
代表取締役社長本多 弘幸




