建設コンサルタントの仕事について（具体的な仕事内容）

私は2024年度から交通事業本部の執行役員を務めております。交通事業本部には道路部と構造部という部署があり、道路や道路構造物また、橋梁の設計全般を担っています。

建設コンサルタントとして業務を遂行するために重要な能力は、顧客の要望を引き出すコミュニケーション力でしょう。プロジェクトは顧客あってのものですから、提案する際には相手と対話を重ね、本当に求めていることを引き出さなければなりません。常に顧客と認識を同じくし、計画が途中でぶれてしまわないように小さな確認を積み重ねていくことが重要です。この分野の設計は数学・工学的知識は必要ですが、当社の場合は、そういった専門的な知識は入社してから培っていけばいいと考えています。

会社の雰囲気（社風や職場環境）について

私は2000年に新卒入社したのですが、当時から比べると待遇面も会社の雰囲気も良い方にかなり変化しましたね。ここ10年で当社の業績が上がり、それに伴って社員も増えました。土木や社会基盤整備以外の分野の学生を新卒として採用し育てていくという余裕も生まれました。

様々なタイプの人たちが、それぞれの能力を活かせる部署で働いています。組織で成果を上げるわけですから、一人で全部のことができなくてもいい。業務を管理する我々のような人間が適性を見ながら調整を行いますし、複数の社員で仕事を分担するので、苦手なことがあってもフォローし合える環境です。

当社は20代～60代まで揃っていて、世代ごとの隔たりを感じることなく、それぞれが交流を持ちながらのびのび働いています。

自分と異なる世代の若い人たちを育てるためには、私たちのような上の世代も昔の価値観を手放し、世の中の変化に対応しなければなりません。自分が新入社員の頃は、上司にちょっと聞きたいことがあるだけでも、事前にお伺いを立て、時間を空けていただかなければという雰囲気でしたが、自分が上司になるのなら、いつでも気軽に話しかけてもらえるようなフラットな存在でいたいと思っています。その場で聞いてもらってすぐに回答したほうが効率的で、業務や問題解決のスピードがアップしますからね。

また「この世代はこう考えているはず」と思い込んで接するのではなく、個人個人の性格や資質を見極めながら最適なコミュニケーションを取るように心がけています。

そうして成長した後輩や部下たちが、こちらの期待通りに仕事を遂行してくれたり、想像以上の成果を上げてくれると本当に嬉しくて、人を育てるということにやりがいを感じますね。

キャリアパスについて

会社全体の取り組みとして資格取得のサポートや講習会等を行っているのですが、部署ごとに業務内容に合った研修や勉強会も企画しています。

私の部署では現場見学会という、自分の部署が設計した構造物を見て回るというツアーを実施しています。設計図を持って帯広や釧路など遠方まで足を運び、図面と実物と見比べながら設計のポイントや、隠れた部分がどうなっているかなど説明します。専門的なことをなるべくわかりやすく話しますが、入社してすぐに見学会を行っても、だいたいの新入社員は「へえー」というような薄いリアクションです。でも、こういう仕事をしているんだ、ということがわかってもらえばいいかと思ってやっています。

実際に業務を行うようになれば、自分が手掛けたプロジェクトで完成したものを目にしたときに、それがどんなに小さいものでも皆、感動していますね。自分もそうでしたから気持ちはよくわかります。地図に載る仕事ってやっぱりいいですよね。

福利厚生について

保険の他、休暇や手当など社員のワークライフバランスがとれるような制度を整えています。家族手当や寒冷地手当も設けているので、何かとお金がかかる子育て世帯は助かるでしょう。最近は夫婦共働きも一般的ですから、働きながら子育てができる体制を整えるのは急務です。子育てしながらフルで働きたい人もいれば、時短勤務をしたい人もいますので、男女関係なく個人の意思を尊重しながら気持ちよく働けるような環境を用意できればと思います。

仕事に対する展望や目標について

社内の機構改革により部署が変更になり、道路部と構造部が一緒になったことで、道路と橋の計画を従来以上に密接に連携させ一続きのプロジェクトとして進めることが可能になりました。これまで以上にスケールの大きな計画に挑戦できるようになったので、ぜひやってみたいですね。