建設コンサルタントの仕事について（具体的な仕事内容）

27年前にこちらの会社に中途採用で入りました。以前は河川を守る護岸ブロックを製造している会社で働いていたのですが、時代の変化に伴い、環境対策・自然保護の観点からブロックの需要が減ってしまったのです。それで学生の頃から興味があった建設コンサルタントの仕事をしようと転職を決意しました。

現在は保全事業本部 保全部の部長（取材当時）をしております。保全部というのは、北海道や地方自治体から依頼を受けて、構造物の点検診断及び補修設計を行うのがメインの仕事です。担当する構造物の9割は橋梁ですね。橋を点検し劣化状況などを診断します。例えばコンクリートのひびを埋めて終わりではなく、ひびが入っている原因は何かというところまで、様々な角度から理由を推測して突き止めます。ひびの入り方はどうか、劣化部には水の影響はあるか、析出物はあるか…などチェックし、必要に応じて試験を行います。原因によって補修内容も変わるので重要な作業です。推理力が必要で難しいと思われるかもしれませんが、ある程度は教科書的なものがありますので、それを参考にしながら診断し、現場で経験を重ねて知見も増えていくといった感じです。

会社の雰囲気（社風や職場環境）について

社内の雰囲気は、和気あいあいと明るいですね。業務上のコミュニケーションも活発ですし、遠方に出張などがあった際にも、車内では世間話や冗談などを言い合って盛り上がっています。昨年は創立45周年の社員旅行も行われて、病欠を除きほとんどの社員が参加しました。仲がいい職場だなと感じます。

上司として社内の雰囲気づくりで心掛けていることは、部下がいい仕事をしていると感じたら積極的に褒めることですね。大人になっても「褒められる」「認められる」というのはモチベーションの維持に必要だと感じています。

実は、昔は後輩がミスをしたら叱るけれど、褒めるというのはなかなかできていなかったんです。

けれど自分の仕事を進める中で、発注者様から「やってもらえて助かった」とか「あなたの設計よかったよ」など感謝やお褒めの言葉をいただくことがあります。嬉しいですし、やりがいを感じますよね。それは皆同じであるのに社会人になると褒められる機会は滅多にないなと思ったんです。仕事で成果を出すのは当たり前じゃなくて頑張った結果です。誰でも頑張りが認められるとやる気が増すじゃないですか。

もちろん若い技術者にも責任を持って仕事をしてほしいですから必要なときはきちんと指導をします。けれど頭ごなしに叱るのではなく、落ち着いてミスの原因と対策について聞き取りをしながら指導をしていくように気を付けています。

キャリアパスについて

保全分野は次々と新技術が生まれていきます。それらの技術を取り入れた提案が求められるので、新技術のインプットは常に行っていかなければなりません。

全員が最新の知識をインプットするために、官庁等からの点検・診断、補修関係の指針の変更やメーカーの講習会等の情報を全社員に発信しています。

またコンサルティング業務に必要な資格がたくさんありますから、資格取得推進の専門部署が研修等を実施し、取得のサポートを行っています。

当社には自主研究という面白い制度があります。これは技術的な知見を広めるために、社員自らが研修場所や目的、参加メンバーを定めて日程を計画し、承認されれば会社が旅費と宿泊費を出し、全国様々な場所に研修をしに行ってもらうというものです。

計画してプレゼンして実行し、結果を共有するというのは業務の練習になりますし、知見を広められるのは良いことです。皆楽しんで参加していますよ。

福利厚生について

福利厚生は充実していると感じます。完全週休二日制で夏季休暇があり、有給休暇の他に私傷病休暇や介護休暇もあります。制度があるだけではなく、それらの休暇の取得は会社として推進しています。出産・子育てに関する制度も整えていますので、将来そのような制度の活用も視野に入れているという方は、本人だけでなくご家族も会社の福利厚生の恩恵を受けることができるでしょう。

その他、社内で好評な福利厚生としてプロ野球のシーズンシートや、トマムの星野リゾートの宿泊料が割引される保養所の制度があります。トマムは素泊まりですが、割引率が大きいので、ご家族で利用されている社員も多いですね。

また、定年は63歳なのですが、65歳まで嘱託社員として継続雇用が可能です。それ以上は本人と会社の合意のもと働き続けることもできます。私は今64歳なのですが、65歳まで仕事を頑張って、退職後は妻とキャンピングカーで日本一周などするのもいいなと話しているところです。

仕事に対する展望や目標について

生産性向上や効率化のために新技術を積極的に取り入れていくことですね。発注者様からも新技術を取り入れた提案を求められることが増えてきました。

具体的な例としては、ドローンを活用した点検等です。ドローンを扱うには国家資格が必要なので、部下にはその免許取得を推進しています。もちろん取得費用は会社が持ちます。その他の新技術も活用できるよう、メーカーの展示会や勉強会に参加するように働きかけています。

求職者へのメッセージ

仕事に最も必要なのは「やる気」、そして「元気」でしょう。未経験の世界に飛び込むのは不安かもしれませんが、そもそも学校で習った知識をすぐに現場で活かせるわけではありません。入社する段階では「この用語、授業で聞いたかも」程度の知識で大丈夫です。業務については同僚や上司のサポートがありますし、勉強会も開くので知識や技術は徐々に身についていきます。

10年ほど前からは国の方針として、古くなった構造物を壊して作り直すよりも、適切な維持管理を行って長く使っていこうという流れに変わっています。私どものような予防保全という仕事は今後も重要性がより高まると思います。

利用者の安全・安心を守るという点からも必要な事業ですのでこのような仕事に携わってみたい方は当社の事業に注目していただきたいですね。

オープンカンパニーという、会社の雰囲気を感じられる制度もあります。建設コンサルタントに興味があって、やりたい！という情熱がある方は、是非一度会社に来ていただければと思います。