ダイシン設計株式会社|札幌の総合建設コンサルタント

COLUMN コラム

変わる夏、変わる未来

変わる夏、変わる未来

私が子どもの頃の1980年代、学校の先生や親から決まって「夏休みの宿題は午前中の涼しい時間にやりなさい」と言われたものです。エアコンがまだ一般的でなかった時代、午前中のうちに机に向かい、午後は思い切り外で遊ぶ。それが夏の日常でした。

しかし、近年、その「午前中の涼しい時間」という感覚が変わりつつあるのを肌で感じています。日中の気温が30度を超えるのは当たり前となり、夜になっても気温が下がらず、寝苦しい夜が続くことも珍しくありません。かつての夏とは明らかに違う、新しい「夏の常識」が生まれようとしています。

この変化は、地球温暖化がもたらす影響の一端にすぎません。豪雨や大規模な台風など、私たちが暮らす札幌でも気候変動の影響は無視できないものとなっています。建設コンサルタントとして、私たちはこうした変化に真正面から向き合わなければなりません。

例えば、大規模な豪雨にも耐えうる構造物の設計、洪水対策のための河川改修、そして都市のヒートアイランド現象を緩和するための緑化計画など、私たちの専門知識が求められる場面は増える一方です。未来の世代が安心して暮らせる社会を築くために、私たちの役割はますます重要になっています。

一方で、私たち自身も、その事業活動において温室効果ガスを排出しており、持続可能な社会の実現という社会全体の課題に対し、自らの変革が不可欠であると認識しています。そこで私たちは、業務プロセスを見直し、エネルギー効率の改善に取り組むことで、温室効果ガスの排出量を削減していく必要があります。例えば、オフィスでの省エネルギー化の推進、再生可能エネルギーの導入、デジタル技術の活用によるペーパーレス化の推進などが挙げられます。

地球温暖化は、遠いどこかの問題ではありません。私たちが過ごす日々の暮らし、そして私たちが築く社会そのものに深く関わっています。建設コンサルタントとして、私たちは持続可能な未来への道を切り拓く責任を負っています。

子どもの頃の「涼しい午前中」が当たり前だったように、未来の子どもたちにも当たり前の夏を贈るために。ダイシン設計はこれからも、技術と知恵を結集し、この大きな課題に挑み続けます。

この記事を書いた人

常務取締役菊池 亮平

常務取締役 菊池 亮平
コラム一覧

他のコラムを見る

  • 屯田兵の血を引く技術者として
    役員コラム

    屯田兵の血を引く技術者として

  • 連載コラムVol.5 災害
    専務

    連載コラムVol.5 災害

  • 連載コラムVol.2 丙午シスターズ
    専務

    連載コラムVol.2 丙午シスターズ

  • 連載コラムVol.7 SDGs
    専務

    連載コラムVol.7 SDGs

recruit